健康に関する学習なら、JHA日本健康アカデミー

日本健康アカデミー トップ

日本健康アカデミー 会社
その他


受講生ログイン


お申し込み


累計

 
 

【健康歳時記】

【目次】

◆ お正月
◆ おせち料理
◆ 小正月
◆ 節分1
◆ 生活習慣病予防週間
◆ 聖バレンタイン
◆ ひな祭り1
◆ 彼岸
◆ パンの記念日
◆ 端午の節句1
◆ 背比べ
◆ こんにゃくの日
◆ 入梅
◆ 七夕さま
◆ 海の日
◆ 献血記念日
◆ 敬老の日
◆ イワシの日
◆ 納めの水天宮
◆ 七面鳥
◆ クリスマスうつ病
◆ 年越しそば


◆ 門松
◆ 初夢
◆ 徳川家康(1月22日)
◆ 節分2
◆ 初午
◆ 雛人形
◆ ひな祭り2
◆ 花見
◆ 地図の日
◆ 端午の節句2
◆ 旅の日(5月16日)
◆ 衣替え
◆ 星の王子さまの日(6月29日)
◆ 納豆の日
◆ ねぶた祭り
◆ 野菜の日
◆ 結核予防週間
◆ 七五三(11月15日)
◆ 冬至とかぼちゃ
◆ NHKの大河ドラマ
◆ サンタクロース

◆ お正月

 お正月というのは、「歳神様を家に迎えて、”新しい年の生命をいただく儀式”の日」です。ウルトラマンのタイムリミットは3分間ですが、我々のタイムリミットは1年間。つまり1年間が過ぎると時計がピッピッピッと鳴り出して電池切れを知らせてくる。そこでお正月になると歳神様を迎えて、新しい年の生命をいただくのであります。
 門松……歳神様を天から迎えるのにあたり、降臨する場所が必要です。そこで門松を建てて、”依代”に見立てました。
 鏡餅……神霊は「白くって丸いもの」に宿ります。代表的なものは”鏡”ですが、鏡に似せた餅を作りお供えしました。
 雑煮……歳神様を乗り移らせた餅を食べることで、生命力を体内に取り込んで一年間無病息災を祈ります。
 お年玉……歳神様の生命力のことを”年魂”と言いますが、昔は年魂の入ったお餅を大人が子供たちに配りました。それが後にお金に代わり、「お年玉」となったわけです。 

◆ 門松

 お正月に飾る門松は、歳神様が天から降りるにあたり”降臨する場所(依代)”であります。日本においては、鎌倉時代から松と竹を一緒に飾るような形になりました。というのも古来より松、竹、梅は”厳寒三友”と称し、冬でも葉が枯れないため「縁起物」として尊ばれたからです。
松……樹齢が長いので”長寿”を意味します。
竹……成長が早いので”生命力”を意味します。
梅……早く咲き、実がなるので”出世、開運”を意味します。
昔話でも”松”といえば「天の羽衣」、”竹”といえば「かぐや姫」ですね。登場する女性は、松や竹のように「いつまでも若くて美しい女性」です。昔の人々は、冬でも葉が枯れない松や竹に「計り知れない生命力」を感じ取っていたのです。そして、現代でも松(ピクノジェノール、フラバンジェノール、MSMなど)や竹(クマザサ)のパワーは、健康食品として生き続けています。

◆ おせち料理

 おせち料理は、神様への供物を意味する「御節供料理」がなまったものとされています。そして、その特徴は3つあります。
1、 健康長寿をあらわす”五色”であること
  五色とは、赤、青(緑)、黄、白、黒。これら五色の食材で飾られていること
2、”ン”(運)のつく食材であること
  例えば、レンコン、ダイコン、ニンジン、ゴ(ン)ボウ、コンニャクなど
3、 おめでたい意味の”語呂合わせ”があること
  タコ(多幸)の酢の物、黒豆(マメに働く)、コンブ(喜ぶor子生=子供を産む)、鯛(めでたい)など
 また重箱は、五色との兼ね合いから”五段重ね”を正式としています。

◆ 初夢

 お正月の晩、七福神の絵が描かれた宝船を枕の下に敷いて寝ると「吉夢を見る」という言い伝えがあります。もし悪夢だったら川へ流し、吉夢であれば神社に奉納します。
 実は、七福神の絵は、徳川家康が狩野派の画家に描かせたことが始まりとも言われ、正夢を信じた家康との結びつきを感じさせます。
 徳川家康といえば、やはり「一富士、二鷹、三茄子」の考案者として知られていますね。そもそもの始まりは、家康が富士の裾野で鷹狩りをした際、沢山の茄子が木に成っているのを見て「なすびは事が成るに繋がるので、大変めでたいことだ」と喜んだエピソードが元になっています。
 その後は、こんな解釈も登場しました。
一富士……富士の裾野で敵討ちをした曽我兄弟の話
二鷹……赤穂藩浅野家の家紋、つまり赤穂四十七士の仇討ち
三茄子……那須与一の扇の的を射た話
 以上、いずれも武士として大変めでたいことを意味するようになったというわけです。
 夢にはいろいろな解釈が成り立ちますが、心理学的に言うと「心と体のサイン」として現れることがしばしばあります。心の中に不安を抱えている人は”空を飛ぶ夢”とか”暗闇の中に入る夢”を見やすいとか、また耳鳴りの前兆が”滝の音”となって夢に現れたり、不整脈や心不全が”波の音や映像”となって現れることもあります。
 夢を正しく分析することは、「心と体の健康チェック」に必要なことなのです。
▲up

◆ 小正月

 旧暦では、一年の最初の満月の日を正月(1月15日)としました。1月1日を大正月、1月15日を小正月とも言いますが、この日に小豆粥を食べる風習は、宇多天皇の頃から始まったと言われ、紀貫之の「土佐日記」にも”十五日、今日小豆粥”との記述が見られます。
 小豆の”赤色”は、魔除け、邪気払いの色。神社の鳥居が赤いのも「邪気払い」から来ています(ポストが赤いのは、違います(笑))。
 昔の人は、ヒトの体から血(赤色)が抜けると死ぬという経験から、「赤色イコール生命の源」と考えていました。赤色が抜けると元気がなくなる。逆に考えれば「赤色を身に着けると元気が出る」。それが、還暦の赤いチャンチャンコや郷土玩具の赤ベコになったというわけです。
 色彩心理学的には、赤い色を見るとアドレナリンの分泌が高まり交感神経を活性化させます。つまり、気分を高める働きがありますので、精神的に落ち込んだときには「意識的に赤い服を身に着ける」と良いでしょう。

◆ 徳川家康(1月22日)

 1616年1月22日のこと。徳川家康は、鷹狩りの夜、茶屋四郎次郎のすすめでタイのてんぷらを食べて発病したと伝えられています。一説では、死因は「食中毒」によるものと言われていますが、亡くなったのが三ヵ月後の4月17日ですから「食中毒説」は当てはまらないと思います。やはり予てからの「胃がん」の進行によるものと考えた方が無難でしょう。
 戦国大名は、1日当たり約50gもの食塩を摂取していたのではないか、とも言われており、塩分の過剰摂取やタバコ、アルコール類は、胃の粘膜を傷つけて胃がんの発症を高めます。因みに武田信玄、水戸黄門(徳川光圀)も死因は「胃がん説」が有力です。
 その他、胃がんで注意したいのが「ピロリ菌」。ピロリ菌感染により萎縮性胃炎が進行すると危険度は5倍ともいいます。また胃がん患者の約3割は「遺伝性が高い」ともいわれ、逸見政孝さんのように「身内に胃がん患者がいる場合」などは、定期的に内視鏡検査(バリウムを飲んで行うレントゲン検査では不十分です)を受けた方が良いでしょう。

◆ 節分1

 元来”節分”とは、「季節の分かれ目」のことを指しました。立春、立夏、立秋、立冬の前日のことですが、いつのまにか立春の前日のみが”節分”として残ったわけです。
 節分の日は、古代中国では「邪気払いの日」とされ、疫病や災いを”鬼”に喩えて「追い出す日」としました。日本では、平安時代の初期、柊の枝にイワシの頭を刺して門口に立てる風習があり、鬼(邪気)がやってきても柊の葉に刺さって痛がり、イワシの悪臭で逃げ出す、という意味が込められています。嫌な臭いで逃げ出すというのは、”ドラキュラのニンニク”に似ています。
 健康に関する“匂い”と言えば、やはりアロマテラピーでしょうか。古くは、クレオパトラがバラやジャスミンの花を浮かべた風呂に入り、シベット(霊猫)の香水をつけていた話やマリー・アントワネットがバラ、コエンドロ(コリアンダー)、ラベンダーなどを乾燥させ、匂い袋に入れて携帯し、風呂には香水や花びらのほか、イチゴをつぶして香りを楽しんだ、というエピソードにつながるものです。
 私自身もカウンセラーとして、うつ病の相談者の改善にジャスミンを使いました。入浴前にジャスミンオイルを4、5滴垂らして入るだけの簡単なものですが、ジャスミンの香りが「一日の憂鬱気分」を吹き飛ばしてくれます。気分は、すでにクレオパトラです。私のアドバイスを勘違いしてか、お風呂の中にジャスミン茶を入れた方がおりましたが、あくまでも「ジャスミンオイル」であることをお忘れなく!
▲up

◆ 節分2

 節分の日に豆をまく風習は、室町時代に始まりました。中国・明の風習を取り入れたものです。”まめ”は「魔滅」につながるので、鬼を追い払う力があると考えたわけです。
 厄年の人(年男)が年の数だけ豆を食べ豆を打つ風習は、「今川大双紙」が初見。仏教上の理由から肉食を控えていた日本人にとって、大豆などの豆類は「貴重なたんぱく源」でした。
 たんぱく質の摂取不足は、免疫力が低下し、結核などの感染症にかかりやすくなります。免疫力は、20歳の人を1とすると40歳代で1/2、70歳を過ぎると1/10にまで低下するといわれています。「年の数だけ豆(たんぱく質)を食べるといい」のは、当時の栄養状態からすれば、実に理にかなったものなのです。
 さて「福は内、鬼は外」という言葉も場所が変れば、変化します。成田山新勝寺では「福は内」のみ。「不動明王の慈悲の前では、鬼はいない」という理由から。東京・雑司が谷の鬼子母神では「鬼は内、福は内」と言って豆まきをします。

◆ 生活習慣病予防週間

 毎年2月1日から7日までは、生活習慣病予防週間です。昭和34年度から旧厚生省が制度化したものですが、当時は”成人病予防習慣”と言っておりました。2月の初旬に決まったのは、冬の寒い時期で「脳卒中」が多発していたからです。
 当時は、日本人の死因の1位を占めていた脳卒中も近年は減少。代わって「脳梗塞」が急増しています。
 脳梗塞は、脳卒中全体の75%を占め、脳出血17%、くも膜下出血8%よりもはるかに多い疾患です。特に最近目立つのが、微小脳梗塞(ラクナ梗塞)。これは、別名”隠れ脳梗塞”ともいい、放っておくと数年後に3割の人が脳梗塞発作を起こします。
 微小脳梗塞は、MRIで調べると40代で1/3人、50代で1/2人、60代の人の8割以上に見られます。また長嶋茂雄さんが患った心原性脳梗塞の主原因は”心房細動”という不整脈で、脳梗塞を起こした80歳以上の1/3人に見つかっていると言われています。
 脳卒中予防のためには、まず三高(高血圧、高脂血症、高血糖症)を改善すること(特に高血圧)、タバコはやめること、疲労やストレスをためないこと、水をこまめに飲むことが大切です。また食事はDHAを多く含む青魚、食物繊維の多い野菜や海藻、タマネギなどを多く摂取することも良いでしょう。

◆ 初午

 2月最初の午の日を”初午”といいます。毎年、京都・伏見の稲荷大社では、初午詣での人々で賑いますが、これは和同4年2月に祭礼が行われたのが始まりといわれています。
 “稲荷”は稲生(いねなり)が語源で、本来は農業の神様。キツネがその神の使い。稲荷神社は、全国に3万社ほどありますが、人気のきっかけは、江戸時代、田沼意次が邸内に稲荷を祭って出世したことから江戸の町民に信仰が広まったとされています。
 さて”午”の方角は南、”午”の時刻は午前11時から午後1時までと真昼ですから、”午の日”というのは「最も運気が高い日」なのです。初午詣では、この神の運気を受けて心願成就を願う儀式と言えるでしょう。
▲up

◆ 聖バレンタイン

 紀元269年のこの日、聖バレンティノが結婚禁止令を破った罪でローマ皇帝クラウディウスの怒りをかい処刑された日であることは、あまりにも有名。彼の遺体はテルニへ運ばれたと伝えられていましたが、1605年に発見され、そこに聖バレンティノ教会が建てられました。
 時は流れて昭和33年2月14日のこと。チョコレートメーカーのメリーチョコレートが、新宿伊勢丹デパートで「バレンタインの日に好きな人へチョコレートを送ろう」というキャンペーンを行います。しかし、3日間で売れたのは、たった3個。今日では、バレンタイン期間に売れるチョコレートは、年間売り上げの1/5といいますから、誰もが予想していなかったことかもしれません。
 さて昔は「虫歯と肥満の元凶」と言われていたチョコレートですが、最近は逆に”チョコレートダイエット”なるものがブームです。主な理由として、カカオに含まれるポリフェノールや苦味成分のテオブロミンには、血流促進作用があり、エネルギー代謝が高まる効果があること。また食物繊維のリグニンには、便秘解消効果が期待できるというものです。
 チョコレートは、一時的に血糖値を上げて空腹感を満たします。おやつを食べる代わりにチョコを一粒食べて空腹を満たせば、ダイエットにつながる可能性はあります。

◆ 雛人形

 昔は、上巳の日(3月上旬の巳の日)に自分の身代わりの人形(ひとがた)に穢れを移して川に流しました。いわゆる「流し雛」で、この風習は、現在では鳥取県など一部の地方に残っています。平安時代は、紙製の「立ち雛」で川に流しました。室町時代に入るとゴフンを塗った「座り雛」タイプのものが登場します。やがて江戸も中期に入ると今日のようにひな壇を造って並べる「内裏雛」が定着。寛延期には二段飾りだったものが、明和期になると三段、天保期には七段のものまで現れました。
 「雛人形をしまい忘れるとお嫁に行けない」という話は、そもそも雛人形は自分の穢れを人形に移して川などに流したものだったからです。川に流したものなので、翌日あっては辻褄があいません。
 また流さないでいると穢れが取れず、病気になって早死にしてしまうという心配から「早く仕舞え」という話になったわけです。”お嫁に行けない”とは「早死にしてしまう」という意味で、「未婚の女性として一生を送る」という意味ではありません。

◆ ひな祭り1

 ひな祭りに付き物といえば、”菱餅”です。菱餅は「洪水を起こす竜の怒りを鎮めるため、娘の身代わりに”菱の実”を捧げた」というインドの伝説にルーツがあります。日本では、菱形は「女陰を表した厄除け」を意味します。古代人は「魔物は、体の穴から進入する」と考えていました。鼻の穴、耳の穴、口の穴は「魔物が入りやすい」ために魔除けの道具としてイヤリングやピアスが使われました。さすがに口ピアスでは、食事が思うようにならない。そこで口には、魔除けの色の”赤色”を塗った。それが口紅のルーツです。
 菱餅は、厄除けの霊草である「よもぎ」の草餅におめでたい紅白餅を重ねたものです。また色彩心理学的には、名残り雪の”白”、桜の”ピンク”、草花の”黄緑”と「早春のイメージカラー」が使われています。
▲up

◆ ひな祭り2

 ひな祭りには、菱餅以外にも”白酒”、”蛤のお吸い物”、”雛あられ”が付き物です。白酒は「みりんに蒸した米や麹を混ぜて熟成させたもの」で、昔の人が飲んでいた”醴”の名残です。
 そのルーツは、中国の”桃花酒”です。桃花酒は「桃の花びらを酒に浸したもの」で、桃は”邪気を払う仙木”として尊ばれていました。西方の崑崙山には、3千年に一度花が咲いて実がなる桃の木があり、西王母が所有していましたが、実は彼女の誕生日が3月3日だったため、ひな祭りの日には”桃”は欠かせないものとなりました。
 平安時代の頃、日本では3月3日に浜に行き、蛤拾いをしました。蛤は、同じ貝同士でないと2枚の殻が合いません。”夫婦和合の貝”なのです。貝合わせをしながら、昔の人は「貞操の大切さ」について娘に教育したわけです。取ってきた蛤の殻は、貝合わせとして使い、中身はお吸い物にして食べました。3月3日の”蛤拾い”、これが今日の潮干狩りになったというわけです。
 雛あられについては、定かではありませんが、節句の日に「野外で食事をした名残」だとも言われています。当時は、外出する際の携帯食として“干しいひ”(蒸した米を乾燥させたもの)が使われていましたが、それに代わる物として誕生したというのがルーツのようです。

◆ 彼岸

 彼岸とは、春分や秋分を中心とした前後3日間を言います。本来の意味は”向こう岸”という意味で、「阿弥陀仏の住む西方浄土にいる祖先の霊を思い偲ぶ日」なのです。
 806年、桓武天皇が弟の早良親王の怨霊を鎮める為に行ったのが始まりとされ、7日あるのは「六波羅蜜の行を一日ずつ行い、7日目に涅槃の境地に至る」ためとされています。因みに”六波羅蜜”とは、布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧の6つを指します。
 “布施”というと「お金を寄付する」といったイメージがあり、だったら「お金のない人は功徳出来ないのか」といった反論がありますが、違います。”笑顔施”という布施をご存知でしょうか。これは「他人に対して、笑顔で接する布施」なのです。笑顔を与えることで、周りの人々を幸福な気持ちにさせてくれます。トリノオリンピックでの金メダルの笑顔も我々の心を和ませてくれるものなのです。

◆ 花見

 812年、嵯峨天皇が最初に始めたと言われ、平安時代から行事化されて今日に至っています。”花見”は、桜の花を遠くから眺めるだけではなく、「花の下に入り込む」ことで、花の精気を受け生命力を頂くという”森林浴”と”アロマテラピー”とを合わせた様な日本独自の風習です。
 桜の花や樹皮に薬効があることは、ご存知でしょうか。桜餅にも使われる”桜葉”には、殺菌作用があり水虫にも効果的。”桜湯”は、昔から咳止めに使われています。また”桜皮”は、漢方生薬でもあり、花岡青洲が考案した十味敗毒湯の成分で湿疹、蕁麻疹に効果があります。
▲up

◆ パンの記念日

 1842年4月12日は、伊豆韮山の代官・江川太郎左衛門が兵食用にパンを焼いたといわれる日です。実は、パンの歴史は大変古く、1543年に鉄砲伝来と共に伝えられたともいわれています。考えてみれば、パンはポルトガル語であり、英語ではありませんね。
 忙しい現代人にとって、パン食は”朝食のスピード化”に一躍買っていますが、「がん治療最前線」4月号には、次のような心配の記事が…。
 「乳がんになった人の約8割は、朝食がパンだった」。
 実は、パン食そのものが悪いのではなく、パンに塗るバターやマーガリン、サラダにかけるドレッシングやマヨネーズなど、”脂肪の取り過ぎ”に注意が必要ということです。
 脂肪は、肉類などの動物性脂肪のほかリノール酸の取りすぎは、乳がんのリスクを高めます。また飲酒により乳がんの危険性が高まります。これは、アルコール自体がエストロゲンに作用するものだと考えられているからです。さらに疫学調査により、「便秘症の女性は乳がんになりやすい」。特に週に2回以下の排便しかない人は、要注意です。  

◆ 地図の日

 1800年4月19日、伊能忠敬が蝦夷地測量のために江戸・深川の自宅を出発しました。それに因み4月19日は「地図の日」となっています。
 “プラス思考”という言葉がありますが、伊能忠敬はまさにその典型的な人物です。蝦夷地出発に当たっては、こんなエピソードが残っています。
 明日は出発という前の晩のこと。送別の宴の際、酒樽の底が抜けて酒がこぼれてしまいました。ある人が「これは、縁起が悪い」と言うと、忠敬は「古樽だからしょうがない」と言いました。
 翌朝のこと。家の前でツバメの子が巣から落ちて死んでいました。ある人が「これは、縁起か悪い」と言うと、彼は「羽が生えていないから、落ちれば死ぬ」と言いました。いざ出発ということで、歩き出した途端、草鞋の緒が切れました。そこでまた「縁起か悪い」と言われると、「履き慣れた古草鞋だったから、新しいのと取り替えよう」と言って、耳を貸さなかったといいます。
 「人生五十年」と言われた時代に五十歳からの再出発を誓った忠敬。「自分はもう年だから」「いまさら遅すぎる」、そういったマイナス思考では、短い人生、何も出来ないのかもしれません。

◆ 端午の節句1

 古代中国では、5月は”無月”といって不吉の月とされました。その背景には、伝性病が非常に発生しやすい月であったことが考えられます。中でも5月5日を”厄日”とし、ヨモギで作った人形を門戸に吊るしたり、菖蒲を身に付けました。日本でも平安時代、ヨモギや菖蒲で薬玉を作り柱に掛けたのが始まりと言われています。今日のように「男子の節句」になったのは、江戸時代以降のことです。
 ヨモギ、菖蒲は臭いが強く「魔除けの薬草」とされました。西洋での「ドラキュラのニンニク」に似ていますね。古い文献では、611年5月5日に宮中で”薬狩り”(薬草摘み)が行われたことが日本書紀に記載されています。おそらく鹿を狩って”鹿茸”を取ったのが主体でしょう。山に入る際には「虫除け」の意味で、衣服に菖蒲の葉の汁を付けました。のちに菖蒲の葉を風呂に入れる「菖蒲湯」が生まれますが、風習として定着するのは室町時代からです。古くは、957年に和気時雨が天皇に菖蒲湯を勧めたという話が残っていますが、菖蒲独特の香りは、アザロン、オイゲノールといった精油成分で、虫除け効果が期待出来ます。
 一方、かしわ餅に使う”柏の葉”にはテルペルアルコールなどの揮発成分が含まれ、殺菌効果があります。古代の食器は、弥生土器の流れを汲むもので素焼きの土器。そのまま飯を乗せるとくっついてしまうので、柏の葉を下に敷きました。旅に出るときは、飯を柏の葉に包んで携帯しましたが、ちょうど二つ折りにした形が「かしわ餅のルーツ」とされています。
 柏の木は、新芽が出ない限り古い葉は落ちません。これが「家系が絶えない」「子孫繁栄」という意味で、おめでたい木という話につながっていきます。
▲up

◆ 端午の節句2

 “鯉のぼり”は、男子の出世を「鯉の滝登り」に見立てて願うもので、江戸時代に風習が広まりました。吹き流しが付けられているのは、鯉を食べてしまう竜から守る目的で、また五色染めも”魔除け”の意味があります。
 中国では、おめでたい日の料理の素材に”鯉”が良く使われますが、鯉の寿命は約50年と長生きをする魚だからです。日本では”鯛”を使いますが、鯛の寿命も約40年。アジやイワシの寿命が7〜8年ですから鯛はお目出たい魚なのです。
 昔の人は、「宿っている生命力を食べることが、健康につながる」と考えていました。魚は出来るだけナマで活きの良いものがベスト。考えて見れば、生で旬の物には”酵素”が沢山含まれています。最近話題の発芽玄米も、普通の玄米、白米に比べれば栄養価が豊富。血圧を下げるというギャバの含有量は、玄米の3倍、白米の5倍もあります。

◆ 背比べ

 「五月五日の背比べ」という歌がありますが、子供の頃は身長が伸びますが、年を取ると身長は縮まってゆくものなのです。その理由は”骨粗鬆症”。骨の中がスカスカになるとやがて圧迫骨折を起こして少しずつ目詰まりを起こしてゆきます。そうならないためには、骨を作る”骨芽細胞”を活性化させることと骨を壊す”破骨細胞”を抑制することが大切です。
 まず骨芽細胞を活性化させるには、ビタミンD、ビタミンKの摂取と運動が大切です。また破骨細胞を抑制するには、女性ホルモン様作用がある大豆イソフラボンの摂取が効果的。イソフラボンの一日に必要な量は、約50mg。これはきな粉大さじ2杯、豆腐半丁、納豆1パックの量です。日頃から大豆製品を多めに取って、骨の健康に役立てましょう。
▲up

◆ 旅の日(5月16日)

 元禄2年(1689年)5月16日(旧3月27日)、松尾芭蕉は弟子の曽良と一緒に「奥の細道」に旅立ちました。芭蕉の好物は、コンニャクの刺身とキノコ。また当時の日記によれば、そば切り、豆腐なども食していたようです。アサリの混ぜご飯は、東京では”深川飯”(JR東京駅で、駅弁が売られています)と呼んでいますが、芭蕉も度々食していたようです。
 芭蕉が死去されたのは、元禄7年(1694年)10月12日のこと。季節は秋本番で、キノコがおいしい季節でした。ご他聞にもれず、芭蕉も好物のキノコを食べ過ぎて消化不良となり、激しい下痢に。キノコによる食中毒だった可能性もあります。その後、発熱を起こして死去。享年51歳でした。

◆ こんにゃくの日

 毎年5月29日は、こんにゃくの日。1989年に日本こんにゃく協会が語呂合わせで名付けたものです。こんにゃくは、昔から「体のすす払い」とも呼ばれていますが、95%以上が水分で、残りはコンニャクマンナンという食物繊維です。食べれば、適度の満腹感をもたらし、また食物繊維が脂肪の吸収を抑制してくれるので若い女性に大人気の食材でもあります。
 最近では、”メタボリックシンドローム”という言葉が話題となっています。そもそもの研究は、太っていても病気にかからない人と病気にかかってしまう人とがいる。それはなぜか?…といった話からスタートしました。その理由は、肥満の仕方に2つのタイプがあり、”皮下脂肪型肥満”より”内臓脂肪型肥満”の人は、糖尿病や高脂血症、動脈硬化など生活習慣病になりやすいということ。また脂肪細胞からは、遊離脂肪酸やグリセロールが大量に放出され、高脂血症の原因となるばかりでなく”アディポサイトカイン”が分泌されています。中でもTNF-αはインスリンの働きを阻害、PAI-1は血栓を起こしやすくする作用があり、体に脂肪を溜め込むだけで生活習慣病が促進されるという訳です。
 こんにゃくなどに含まれる食物繊維は、食事と一緒に摂取することで”糖分の吸収”を緩やかにしてくれますので、糖尿病の方にお勧め。中国・宋代の書にも「こんにゃくは消渇(糖尿病)に良い」という記述があります。
▲up

◆ 衣替え

 6月1日に”衣替え”を行う風習は、平安時代にさかのぼります。当時は、4月1日(旧暦)に冬装束から夏装束に、10月1日(旧暦)に夏装束から冬装束に衣替えをしました。
 岩手県では、衣替えの日を”剥け節句”と呼び、「蛇が皮を脱ぐ日」としています。昔の人は、蛇、カニ、エビ、昆虫などが脱皮する姿を不思議な感覚でとらえていたものと思われます。
 昆虫やカニ、エビなどの甲殻類の殻は”キチン質”というもので出来ており、これを溶かす”キチナーゼ”という酵素が植物からは分泌されています。その理由は、おそらく昆虫などに葉を食べられないようにするための自己防衛ではないかと推測されます。カニ殻などのキチン質を土壌にまくと植物の細胞が活性化(エリシダー活性という)されることが知られていますが、ちょうどこれは「外敵を感知して、自己防衛機能が活性化」しているとも考えられます。
 人の体内にも同様のメカニズムがあります。例えば、キノコなどに含まれるβグルカンを経口摂取した場合、小腸内にあるリンパ節(パイエル板)がβグルカンを細菌・ウイルスと間違えて「免疫細胞全体が活性化する」というシステムです。「キノコを食べるとガンを予防する」という話は、その当たりの研究から来ています。

◆ 入梅

 毎年6月21日より「夏の健康を守る運動」が始まります。ちょうどこの時期は、食中毒や伝染病の多い季節です。食中毒では、年間3万人もの患者を出しており、中でも一番多いのがサルモネラ菌によるもの。さらに腸炎ビブリオ、病原性大腸菌と続きます。
 古い俗謡に「越中富山の反魂丹、薬草丸めて萬金丹、それをのむ奴ぁあんぽんたん」とありますが、反魂丹も萬金丹も食あたり予防の常備薬として愛用されました。また萬金丹は、お伊勢参りのおみやげとして江戸時代に全国に知られ、人気がありました。
▲up

◆ 星の王子さまの日(6月29日)

 6月29日は、フランスの作家アントワーヌ・ド・サン=テグジュベリの誕生日です。平成11年のこの日には、神奈川県箱根町仙石原の小田急箱根ハイランドホテル内に「箱根サン=テグジュベリ星の王子さまミュージアム」がオープンしましたので、記憶に新しいことと思います。
 ところで小説「星の王子さま」は、子供向けの童話というよりは”大人向け”の童話です。例えば、こんな話。
 地球にやって来て何千ものバラの花が咲いているのを見て、星の王子さまはショックを受けます。なぜなら、美しい花は自分の生まれ故郷に咲いている一本のバラだけだと思っていたからです。そこに賢いキツネが現れてこう諭します。
 「大事なことは、他のものと比べることではなくて、たった一つのものを愛し大切にすることなんだよ」
 幸福とは、本来相対的なものではなくて絶対的なものなのである。子供時代は、なぜそんなに楽しかったのだろう。それはきっとかけがえのない一つの大切なもの…ぬいぐるみ、人形、おもちゃ、ペット等…を愛せたから(『心に残る人生ドラマ30話』愛生社、p112より)

◆ 七夕さま

 松の木に掛けてある天女の羽衣を若者が見つけ、隠してしまう。天に戻れなくなった天女は、泣く泣く若者と一緒に暮らすことになるが、ある日、隠してあった羽衣を見つけ天へと飛び立ってしまう。一人残された若者は、勢いよく伸びた竹をよじ登って天にいる彼女に会いに行く……。
 日本昔話の「七夕さま」です。天女の魅力は、何といっても「いつまでも若く、年を取らない」ことでしょうか。その秘密のヒントは、”松”と”竹”にあります。ついでに”梅”を入れれば「厳三友」とも言い、昔の人は「真冬でも枯れない松竹梅に不思議な生命力」を感じていたようです。
 さて健康雑誌『健康』の6月号には、京都・美山町の料理旅館「つるや」のおかみさんが長年作り続けているという松葉を発酵させたサイダーを紹介しています。作り方は、梅雨明け頃に摘んだアカマツの葉と湯冷ましの砂糖水を一升瓶に入れて日なたに置くと2〜3日で発酵してサイダーとなるもの。高血圧や脳梗塞の後遺症の方にお勧めとか。
 中国では、松葉は「仙人の主食」ともいわれ、日本でも古くから松葉を用いた民間療法が伝えられてきました。漢方の古典書『神農本草経』には、松葉の薬効として「五臓の働きを整え、久しく飲むと身が軽くなり、年を取らず長生きする」とあります。松葉には、コレステロールや血栓を溶かす作用がある”テルペン類”、血管を柔軟にするという”ケルセチン”が含まれています。毎日飲み続けることで、健康に良い効果が得られるのかもしれません。

◆ 納豆の日

 7月10日は、語呂合わせですが「納豆の日」です。平成4年に全国納豆協同組合連合会が制定したものです。
 納豆といえば、八幡太郎義家が奥州の乱(前九年、後三年の役)出陣の際、農民が提供した煮豆をわらに包み、馬の鞍にくくりつけていたところ、いつの間にか発酵して納豆になった伝説が有名です。義家は武人としても優れていましたが、かなりの教養人であったとも言います。安倍貞任との戦いの際、貞任が馬で逃げる後姿を見た義家は「衣のたてはほころびにけり」と歌を詠みました。すると貞任が「年をへし糸の乱れの苦しさに」と上の句を返してきたため、そのまま逃がしてやったという話です。お互い歌の心得がなければ、理解できない世界です。
 さて昔の納豆は、煮た大豆をわらづつに包み、室に入れて時間をかけて発酵させましたが、現在では煮大豆にナットウ菌を機械で振り掛けるだけのもの。寂しい感じがします。
 健康面では、これまでは”ナットウキナーゼ”や”大豆イソフラボン”中心でしたが、最近は「コレステロールや中性脂肪低下効果」が注目されています。国立循環器病センターの北風政史・臨床研究開発部長らが佐賀県有田町と共同で行った調査によれば、血圧、脂質、血糖、肥満のいずれかの指数が高い男女に毎日30gの納豆を1ヶ月間摂取してもらったところ、コレステロール値が平均7.7%、中性脂肪値が平均12.9%も低下したそうです。総コレステロール値は250ミリグラムが231ミリグラムに、中性脂肪値は195ミリグラムが170ミリグラムに減少しました。大豆に含まれるたんぱく質が過剰な脂肪や胆汁酸を吸着し、体外へ排泄する作用ではないかと言われています。

◆ 海の日

 海の日は、平成8年より国民の祝日となりましたが、昭和16年に制定された「海の記念日」をルーツとしています。
 「生命は、海から進化した」という話があります。地球が誕生したのが、今から46億年前。最初の生命が海中に誕生したのが、35億年前といわれています。
 日本語で”海”という漢字は「さんずいに”人”の”母”」と書きます。また発音的には”生み”とか”産み”に通じます。フランス語でも”海”(メール:mer)とは、”母”(メール:mere)が語源となっている言葉です。
 1956年、南極越冬隊が南極のドンファン湖で”南極石”と呼ばれる石を発見しました。そして、その石の成分を分析したところ、含まれているミネラルバランス、特に微量ミネラルのバランスが「母胎の羊水」に大変近かったのです。その石は、今から5億年ほど前のカンブリア紀の海水が結晶化したものだったことも判明しました。つまり、人の羊水は、今から5億年前の海水そのものに近いのです。
 生命は、海から進化しました。その結果、生命が生きていくためには、元来海に存在している多くのミネラルが必要不可欠になるわけです。

◆ ねぶた祭り

 毎年、8月の初めに青森と弘前で行われる”ねぶた祭り”。由来は「収穫の秋を迎え、農作業の妨げとなる睡魔を払う行事に、お盆の精霊送りが加わったもの」といわれています。連日、夕刻になると灯篭に火を灯し、笛、太鼓の音とともに町中を練り歩きます。最終日には、弘前では岩木川、青森では海にねぶたを流してクライマックスを迎えます。
 “ねぶた”とは、睡魔のことである”眠た(い)”がなまった言葉であること。最近では、「眠たい」よりも「眠れない」人が増えているご時勢です。睡眠障害に悩んでいる人は、なんと日本人の5人に1人。原因は、うつ病や悩み事などのストレスが約50%。なんと4割もの人は、腰痛、ひざ痛、神経痛など体の痛みや脳の疾患といった病気によるものなのです。
 ひざ痛といえば、健康食品ではグルコサミン&コンドロイチンが有名ですが、お年寄りに多い圧迫骨折からくる腰痛には効果がありません。痛みにも原因がさまざまですから、しっかりと病院で診断されてから健康食品を選んでいただきたいと思います。

◆ 献血記念日

 8月21日は、献血記念日です。昭和37年、これまでの売血によって肝炎が社会問題化したため、昭和39年のこの日、献血を推進する閣議が決定されました。
 私事ですが、私の誕生日は9月(おとめ座です)。運転免許証の更新は、8月にしますが、免許センターの敷地内には献血ルームがあるため、8月は私にとっても”献血の月”になっています。私自身は、貧血とは逆で普通より赤血球が多いため、400ccを抜くと体が軽くなるのは良いことなのでしょうか。
 実は、私の両親はともにC型肝炎。幸いなことに、私自身は肝炎ではありませんが、C型肝炎の患者のうち、慢性化するのが約6割。さらに肝硬変から肝臓がんへ移行することが多いため油断ができません。特効薬のインターフェロンも2a型は有効率が63.7%と高いものの、2b型は44.1%、1b型は17.9%と全体としては3割の人しか効果はありません。しかし、近年、抗ウイルス剤リバビリンとの併用で有効率が高まるとの報告もあり、今後の研究が期待されています。
▲up

◆ 野菜の日

 8月31日は、語呂合わせですが”野菜の日”です。健康日本21では、「毎日野菜を350g以上取りましょう」とありますが、現実は一日当たり292gしか摂取しておりません。その結果、食物繊維やビタミン、ミネラル不足を招きます。 最近では、野菜におけるビタミン・ミネラルの含有量そのものの減少が心配されています。
 例えば、1982年度の調査(四訂)に比べ、2000年度の調査(五訂)では、ほうれん草におけるビタミンB1の含有量は15%減、B2は13%減、Cは46%減、カルシウムは11%減、鉄は46%減といった結果です。このまま行くと、どうなってしまうのでしょうか…。
 ところで、冷蔵庫において野菜の保存に良い条件は…というと、温度2度、湿度45%だそうです。実際には、冷蔵庫の多くは湿度20%、つまり乾燥し過ぎてしまう事がネックのようです。

◆ 敬老の日

 以前は9月15日でしたが、現在は9月の第3月曜日になっています。昭和41年に制定されたものですが、なぜ9月15日かというと、聖徳太子が四天王寺に身寄りのない老人を収容する施設”悲田院”(養老院のルーツとも言われています)を設立したとされる日だからです。
 昔は「人生50年」と言われ、死亡者が急増してくるのは40歳過ぎから。”男の厄年42歳”のルーツは、ここにあるのかもしれません。一方女性は、「15で姉やは嫁に行き…」という歌にもあるように、早婚早出産でした。30代後半には更年期に突入とも言われ、30代で出産することは”超高齢出産”でもあり、医学が発達していなかった当時は、母子ともに命の危険すらありました。”女の厄年33歳”のルーツは、ここにあるのかもしれません。
 さて現代でも40代は、動脈硬化、生殖機能の衰え、老眼の始まりです。白髪が目立ち始めて、四十肩、四十腰の痛み、そしてがん患者の急増…など、生活習慣病が表に現れる年代でもあります。気をつけましょう。
▲up

◆ 結核予防週間

 毎年9月24日から30日までは”結核予防週間”です。昔は「2週間セキが続けば、結核を疑え」と言われるくらい大変恐ろしい病気でした。微熱、倦怠感、胸痛、吐血などの症状が特徴です。最近では、死亡者は少ないものの感染者の数が年々少しずつ増加しています。しかも病院の薬が効かない”多剤耐性結核”が登場している点も見逃せません。
 1995年、アメリカで提出された報告書により「当時から遡り20年以内に発見された感染症」を”新興感染症”と呼ぶのに対し、「1995年から遡り20年間に増加している感染症」のことを”再興感染症”と呼びます。日本においては、結核患者の増加が大きな社会問題となりつつあります。

◆ イワシの日

 10月4日は”イワシの日”。昭和60年、大阪府の多獲性魚有効利用検討会が制定したものです。イワシは、近年ではDHA、EPAの供給源として人気を呼んでいますが、値段もウソのように昔に比べ値上がりしています。昔はなにせ「大衆魚」でしたから…。
 私の故郷である九十九里浜では、地引網で採れ過ぎてしまったイワシは、まずは「ネコの餌」に。しかし、ネコですら食べ飽きてしまい”ネコまたぎ”というあだ名を付けられることに。最後は、畑の肥料になりました。今から思えば、ウソのような話です。
 一方、イワシ以外の青魚といえば”サンマ”があります。落語でも「目黒のサンマ」という話がありますが、一説によれば、3代将軍・徳川家光が現在の学芸大学近くに鷹狩りに行った帰り、中目黒にあった「爺々が茶屋」に立ち寄った時のエピソードであるとも伝えられています。
▲up

◆ 七五三(11月15日)

 古くは、男女3歳で”髪置き”、男5歳で”袴着”、女7歳で”帯解き”をしました。江戸時代に入ると、子供が無事に成長できたことを氏神様に感謝し参拝。家では赤飯を炊いて、近所に配りました。
 11月15日に固定したのは、5代将軍・徳川綱吉の子・徳松の3歳の祝儀がこの日であり、これを庶民が真似したからだとも言われています。
 昔は、「七つ前までは”神の子”」といい、死亡しても本葬は行いませんでした。幼児の死亡率が高く、親の悲しみを慰める意味があったのかもしれません。
 ところで宝永年間のこと。浅草の飴屋・平野陣九郎が翁飴(長寿祝いの飴)をヒントにして売り出したのが”千歳飴”であると伝えられています。一方の”金太郎飴”は、明治以降に生まれています。

◆ 納めの水天宮

 毎月5日は、水天宮の縁日ですが、12月5日は縁日の最終日というわけで「納めの水天宮」と呼ばれています。
 水天宮の発祥は、今から800年も昔、壇ノ浦の戦いにまで遡ります。平家の官女であった按察使局(あぜちのつぼね)が九州まで落ち延び、その地で安徳天皇と平家一族の霊を弔ったのが始まりといわれています。
 水天宮は”水”にちなんだ神様ですから、”水難・火災除け”というのはわかりますが、もう一つ”安産祈願”の神様としても知られています。昔から「戌(いぬ)の日にお参りすると、安産になる」といわれています。何でも「犬のお産は、楽だから」という訳です。
 犬のお産ならばともかく、人間のお産は楽ではありません。お金もかかるし、年々不妊治療で悩む夫婦が増加しているとのこと。男性の主な原因は”精子減少症”で、運動精子数1cc当たり4000万以下だと引っかかります。原因の約4割は、精索静脈瘤です。女性の主な原因は、卵管の通過障害、無排卵、子宮内膜症など。
 現在、健康食品では、ホルモン分泌を高めるということで”マカ”がブームとなっています。ベンジル類グルコシノレートを含んでいますが、一日の目安量はエキスとして200〜400mgです。
▲up

◆ 冬至とかぼちゃ

 日本では古来より、冬至の日にかぼちゃを食べ、ゆず湯に入ります。一般に”一年間、無病息災でいられる”とか”風邪予防に良い”と言われていますが、真の意味は他にもあります。 確かにかぼちゃには、免疫力を高めるビタミンAとC、ゆずにはビタミンCが豊富ですから、”風邪予防”というのは間違えではありません。しかし、もう一つ別な理由が・・・。
 冬至というのは、一年間で最も日照時間が短い日。東京地区では、4時間50分ほど夜が長くなります。昔の人は、「人間は太陽からエネルギーをもらって生きている」と考えていました。従って、冬至の日には”エネルギー力”が衰えるので、”大師講”といった神様を迎える行事や体に良い食べ物を食べるという習慣が生まれたのではないか、とも言われています。
 また、太陽の色は”黄色”ですから、同じ黄色をしたかぼちゃを食べ、ゆず湯に入ることで「太陽を体に取り入れて元気に過ごそう」という風習が生まれたのではないでしょうか?
 「色を用いてパワーを体内に取り込む」。その考えは、六十歳を迎えた還暦祝いに”赤いチャンチャンコ”を着て、元気を取り込むといった風習につながっているものなのです。

◆ 七面鳥

 1620年、メイフラワー号に乗り込んだ清教徒たちは、新天地であるアメリカ大陸・プリマス港に到着しました。そして初めて食卓に乗せた肉、それが野生の七面鳥であったというわけです。
 クリスマスの日に七面鳥を食べる風習は、「開拓の苦労を思い出し、初心を忘れてはならない」という意味が込められています。
 私も学生時代、アルバイト暮らしで貧しかった当時、一杯300円の吉野家の牛丼がスキヤキのように美味しかった記憶があります。たまに吉牛に通うのも「学生時代の苦労を思い出すため?!」かもしれません(笑)。
 健康面からいえば、牛丼の食べ過ぎは生活習慣病の元ですが、それに比べて七面鳥の肉はいたってヘルシー。100g当たりの脂肪は、たったの0.7g。牛肉(ヒレ)15.0g、豚肉(ロース)19.2g、鶏肉(モモ)19.1g、マトン17.0gに比べても優等生クラスに相当します。
▲up

◆ NHKの大河ドラマ

 来年(2006年)のNKH大河ドラマは、山内一豊だそうです。NHKの受信料を正直に支払っている者の一人として、大河ドラマと紅白歌合戦の出場者ぐらいは「受信料支払い者の投票にしてほしい」。そういつも願っているのですが…。
 さて、見所はやはり「内助の功によって山内一豊が出世していく場面」ではないでしょうか。出世のきっかけは、織田信長が正親町天皇を招いて馬揃えを行った際のこと。安土城下で売られていた東洋一の名馬を妻・千代のへそくり(千代の父親が持たせた持参金と伝えられている)で買い求め、信長に「弓矢を取る者の嗜み」と絶賛されたことに始まります。
 関が原の戦いでは、妻からの手紙を封を切らずに徳川家康に渡したという”笠の緒の文”や小山評定における“掛川城献上発言”により、さしたる戦功はなかったが土佐二十四万石を与えられたという話…など、内助の功によって出世していく生涯は、我々男性の夢でもあります。
 現在、年間離婚件数は27万8千組(うち子供ありが約17万組)。仮面夫婦も多い昨今ですが、もちろん夫婦仲は悪いより良い方が「男性は、長生き」するそうです。日本人の場合、夫よりも妻が我慢し耐えてしまうケースが多い。米国ボストン大学の研究によれば、「言いたいことを我慢する妻は、夫に不平を言い返す妻に比べ、4倍も心臓病などになりやすい」といいます。たまには、夫婦喧嘩もストレス解消に良いのかも?…しれません。

◆ クリスマスうつ病

 欧米では、“クリスマスうつ病”という言葉があります。クリスマスの日は、家族みんなで楽しく過ごすのが欧米での習慣。しかし、それが出来ない孤独な人がおります。「他人の幸せを見ると、自分が余計不幸に思えてくる」、そんな心理が働いてうつ病になる人が増加します。そして、クリスマス前後の自殺者が急増するわけです。
 さて、キリストの誕生日が12月25日に決まったのは、今から1650年も前のことです。古代ローマでは、太陽信仰であるミトラ教を崇拝していました。この太陽神・ミトラの誕生日が12月25日で祝日でした。
 325年、コンスタンチヌス帝がミトラ教を止めてキリスト教に改宗。その後にローマ教皇となったリベリウスが354年、本来はミトラの誕生日であった12月25日をキリストの誕生に決めてしまったという経緯があります。
 ちょうどこの時期は、一年間で一番昼が短い”冬至”の頃にあたります。ミトラ教も本来は、太陽の新生を願う「冬至祭」が変化したものだと言われています。
▲up

◆ サンタクロース

 サンタクロースのモデルは、一般的には子供の守護神であった"聖ニコラス"だと言われています。12月6日の前夜、ニコラスは赤い服を着て白い馬に乗ってやってきて、子供たちにプレゼントを与えるという伝説です。
 アメリカ大陸発見の後、オランダの清教徒たちがニューアムステルダム(現在のニューヨーク)に移住した時、「聖ニコラスの話」もアメリカ大陸へ伝わりました。初めは、12月6日の前夜にやって来るという話もやがてクリスマスイブの夜にやって来るという話に変化。そして、1863年のこと。当時、風刺画家であったトーマス・ナストが「白ひげ、赤い帽子に赤い服、長靴、そして大きな袋を担いだサンタクロースの絵」を描き、このイメージが後に定着してサンタの姿になったと伝えられています。
 ところで、クリスマスのイメージカラーと言えば、"赤""白""緑"。赤は"灯火"、白は"雪"、緑は"モミの木"に例えられますが、真相は……というと、赤は「イエス・キリストが流した"血"」、白は「キリスト教の精神である"清浄"」、緑は「キリスト教の理想である"永遠(とわ)"」を意味します。フランスの国旗が"自由""平等""博愛"を象徴すると同様に、色の世界にもキリスト教の教えが生きているというわけです。

◆ 年越しそば

 年越しにそばを食べる風習は、江戸時代から始まります。
 当時、飾り屋(金銀細工職人)は、年末にそば粉で作った"そば団子"を使い、あたり一面に飛び散った金粉銀粉をそば団子にくっつけて集めました。そして、そば団子を焼いて灰にすると…。そこに金銀が残ったわけです。
 これを見た江戸の町人たちが、「来年も金が集まるように…」と祈りを込めてそばを食べるようになったというわけです(金銀をかき集める、という意味では"熊手市"もこれに近いものがあります)。
 その後、"そば"は「寿命が延びる」ので縁起が良い(実際、そばにはルチンが豊富で、動脈硬化の予防食です)とか、薬味の"ネギ"は「禰宜(神主のこと)」につながるので「一年間の穢れを払う」などと、こじつけられて今日に至ったわけです。

▲up

>>個人情報保護関連及び特定商取引に関する表示

Copyright (C) 2006 Japan Health Academy. All Rights Reserved.