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                    体のビタミン

 がんにならないために……。そして、がんになっても、がん難民にならないために……書き続けています。 

 
  このコーナーでは、がんを初めとする病気の予防や治療法に関する参考文献を紹介しています。
 人生80年といわれますが、80歳まで長生きしますと「男性の2人に1人、女性の3人に1人」ががんに罹る時代です。がんにならないためには、どのような食事がよいのか、またがんになってしまった場合、どのような治療があるのかまた相談窓口があるかなど、事前に知っておくことが大切です。
 がんに関して言えば、まずは標準治療ありきです。標準治療というのは、大規模な臨床試験によって有効性が証明された、現時点で受けられる最良の治療をスタンダード化したものです。統計ですから100パーセントの治療法ではありませんが、やはりがんのような命に関わる病気では「標準治療」に沿ったものがベストと考えるべきです。スタンダード化するためには、膨大な治験とデータ分析が必要です。新薬の治験に参加された多くの方々の尊い命の犠牲の基に確立されたものですので、大切にしなくてはなりません。標準治療をベースにインフォームドコンセントをしっかりされるドクターとの巡り会わせが、「あなたの運命を変える」と言っても過言ではないでしょう。なお健康食品などの代替医療は、あくまでも標準治療のサポート役であることを認識していただけたならと思っております。

 
【目次】
◆ 「長寿食世界探検記」・「長寿の秘密」
◆ 「食事でかかる新型栄養失調」
◆ 患者にやさしい医療最前線
◆ 「がん」になってからの食事療法
◆ 病気になった時 すぐ役に立つ 相談窓口・患者会
◆ がんと一緒にゆっくりと
◆ 今あるガンが消えていく食事
◆ がんと闘わない生き方

◆ 長寿食世界探検記(講談社) 
◆ 長寿の秘密(法研)

    家森幸男著
「長寿食」世界探検記
 家森先生は、WHOの調査研究で世界60箇所余りの長寿村、短命村における食事調査に長年従事してきた有名な方です。

 先生の書いた本を読むと、「こういう食生活は、長生きしそうだ」とか「こんな食事では、平均寿命が短いのは最もだ」などと自分なりに納得してしまう点が面白い。そして、世界の3大長寿村、コーカサス、ビルカバンバ、フンザの食生活も気になるところです。

  様々な健康法が巷に溢れておりますが、健康の基本はやはり"毎日の食事と運動"です。わけのわからない民間療法に走る前に、ぜひご一読願えればと思っています。
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◆食事でかかる新型栄養失調 

    長小若順一、国光美佳著 (三五館)
「長寿食」世界探検記
 厚労省の国民栄養調査によれば、「カルシウムは少し不足」「鉄分は月経中の女性は少し不足」「マグネシウムも条件によっては少し不足」であると発表されています。本当にそうでしょうか?
 現在、潜在的患者を含めると高血圧症3000万人、骨粗鬆症3000万人、糖尿病2300万人、うつ病700万人。がん患者は毎年60万人ほど誕生し、病人は増加する一方で、減少する兆しを見せていません。
 その背景には、慢性的な栄養素不足、特にミネラル不足が様々な病気の一因となっていることは否めません。自宅で食事を作らない一人暮らしの若者、外食が多いサラリーマン、近くにスーパーがなく買い物難民となった老人……いやいや近頃の出来合いの弁当は、野菜を使ったヘルシーなものが増えている。ミネラル不足なんて、考えられない!!
 そのような方にぜひ一読願いたいのが、本書です。様々な外食について、ミネラル5種類(カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅)の量を調べ、1日の「推定平均必要量」に足りているかどうかを調査したものです(検査機関は、埼玉県食品衛生協会検査センター)。

まずは、コンビニ弁当
 朝はセブンイレブンの「バタースコッチ」パン、昼は「幕の内弁当」、夜は「唐揚げ弁当」を買って食べるとカロリーは1877kcal。検出されたミネラルを20代女性の推定平均必要量と比較すると、次のようになりました(実測値÷推定平均必要量×100=  %)。
カルシウム=22.7%、マグネシウム=47.0%、鉄=21.2%、亜鉛=64.3%、銅=45.0%
 これではシンプル過ぎるため、朝に「コーンポタージュスープ」「リンゴヨーグルト」、昼に「フレッシュ野菜サラダ」「ヤクルト」「緑茶」、夜に缶チュウハイ「氷結」「ポテトサラダ」「お新香」をプラスするとカロリーは2655kcal。今度は20代男性の推定平均必要量と比較しました。
カルシウム=54.2%、マグネシウム=55.0%、鉄=73.3%、亜鉛=66.0%、銅=62.9%
 続いて、ローソン、ファミリーマート、サンクスの幕の内弁当を購入し、20代女性の推定平均必要量と比較しました(3食の合計=2109kcal)
カルシウム=37.3%、マグネシウム=49.6%、鉄=40.0%、亜鉛=65.7%、銅=0%(検出できず)

次に宅配弁当
 最大手のガストのメニューから「蒸し鶏おろしポン酢」「チキン&春巻き」「ハンバーグ&白身魚フライ」を選んで、60代男性の推定平均必要量と比較しました(3食の合計=2065kcal)
カルシウム=41.7%、マグネシウム=56.2%、鉄=83.3%、亜鉛=88.0%、銅=161.4%
 続いて、ワタミが手作りと和食の献立にこだわっているという高齢者向け「まごころ御膳」。一見おいしそうに見え、バランスも良さそうで、今度こそ期待出来そう。そこで、70代男性の推定平均必要量と比較すると……(3食の合計=1476kcal)
カルシウム=31.2%、マグネシウム=33.0%、鉄=30.0%、亜鉛=40.0%、銅=0%(検出できず)

インスタントラーメン
 スーパーで売られている14種類のインスタントラーメンを混ぜ合わせたものを、20代男性の推定平均必要量と比較すると……(1食の平均=424kcal)
カルシウム=100.5%、マグネシウム=30.1%、鉄=45.0%、亜鉛=15.2%、銅=60.9%

最後は、食堂の定食メニュー
 東京都内・厚労省の地下にある職員食堂の和定食B(スズキけんちんあんかけ、麦ご飯、味噌汁、漬物)を、20代男性の推定平均必要量と比較(1食あたり=784kcal)
カルシウム=47.0%、マグネシウム=94.6%、鉄=75.0%、亜鉛=45.5%、銅=0%(検出できず)

 以上、本書では31通りの外食メニューやレトルト・インスタント食品について調べていますが、残念ながら5つのミネラルをすべて100%クリアーしたものは一つもありませんでした。
 ミネラル不足は、体に様々な不調をもたらします。動悸、息切れ、不整脈、疲労感、味覚障害、骨粗しょう症、発達障害やうつ病など……原因がよく分からない自律神経失調症や不定愁訴などもミネラル不足が引き金になると考えられています。
あなたのミネラル摂取量は、足りていますか?
もし不足しているならば、どのような対策を具体的に講じますか?  

 

◆患者にやさしい医療最前線

    読売新聞医療情報部編 (技術評論社)
患者にやさしい医療最前線
 医学というものは、年々進歩しています。進歩しているということは、医師をはじめカウンセラーである私もとにかく勉強の日々です。下手をするとマスコミ通の患者さんの方が、新しい医療情報に詳しいことにもなりかねません。

 藪医者というのは、勉強もせず昔ながらの古い治療をし続けている医師とも言えるでしょう。セカンドオピニオン、医師を変えてみる、でもこれは新しい治療法に出会えるチャンスであるともいえます。

 この本は、最先端の治療法について書いてある数少ない一般書の一つです。時間があったら、たまには大きな書店で見るだけのブックショッピングをお勧めします。思いもよらない治療法に出会えるチャンスがあるかもしれません。
 
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◆「がん」になってからの食事療法

    米国対がん協会著、坪野吉孝訳 (法研)
「がん」になってからの食事療法
 がんを予防するため、あるいはがんになっても進行を抑えるためには、どのような食事療法が望ましいのか。これまで数多くの研究がなされてきました。

 米国対がん協会では、このガイドラインを公表していますし、日本語訳のこの本にはそれがわかりやすく記述されています。

 様々な民間療法の情報が飛び交う中で、何を信じたらよいのか。この本は、そんな迷える人たちの参考書になるのではないかと思っております。
 
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◆病気になった時 すぐ役に立つ 相談窓口・患者会

    患者のネットワーク編集委員会編 (三省堂)
病気になった時 すぐ役に立つ 相談窓口・患者会
 ドクターハラスメントという言葉があります。患者の辛い気持ちは、その病気になった人で無いとわかりません。そういうカウンセラーの私も「本当は相談者の心を100%理解しているわけではないのです」

 健康な人には、病人の辛さ、悔しさ、悲しみがなかなか理解出来ないものなのかもしれません。いざ病気になった時、本当に心の支えになってくれるのは、医師でもカウンセラーでもなくて、同じ悩みを抱えた人やその家族ではないでしょうか。

 そんな自助グループも含めて連絡先や住所が掲載されているのが、この本です。病気を患っている、でも相談相手がいなくて悩んでいる人にとっては、大変心強い参考本になると思います。
 
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◆がんと一緒にゆっくりと

    絵門ゆう子著 (新潮社)
がんと一緒にゆっくりと
 元NHKアナウンサーであった池田裕子さんが、乳がんに冒されていることを知ったのは「金スマ」というテレビ番組からでした。

 私は池田裕子のファンの一人として、大変驚いたと同時に西洋医学の標準治療を拒否し、様々な民間療法をさまよった経緯に唖然としました。これまで数多くの健康食品を開発してきた私でさえも、がんの相談者に対しては「まずは西洋医学の標準治療を基本としてください。サプリメントは、あくまでも補助的なものです」という話をします。最初から民間治療のみに走るとは、なんと無謀なことでしょうか。ともあれ、有効な抗がん剤に出会いお元気に過ごされていることは何よりです。

 がんという宣告(ゆう子さんは、"宣告"という言葉が嫌いなようですが・・・)を受けた時、あまりのショックに頭がパニック状態となって、何かにすがりたくなるのは人の世の常。しかし、健康食品に頼る前に、まずはこの本をご一読することをお勧めします。


追伸
2006年4月3日、絵門ゆう子さんは、転移性乳がんのため永眠いたしました。心からご冥福をお祈り申し上げます。
 

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◆今あるガンが消えていく食事

    済陽高穂著 (マキノ出版)

がんと一緒にゆっくりと
 近年、がん患者を対象とした食事療法が注目されています。ゲルソン療法やマクロビオティックなどを指導する会や食材の宅配などにも人気が集まっています。

 この本は、現役で活躍するがん専門医が、治療の一環として実際に取り入れている食事療法を紹介したもので、ゲルソン療法をベースにしています。
 具体的には、「限りなく無塩に近い食事」「動物性たんぱく質・脂肪の制限」「新鮮な野菜と果物の大量摂取」「胚芽成分及び豆類の摂取」「乳酸菌、海藻、キノコの摂取」「ハチミツ、レモン、ビール酵母の摂取」「オリーブ油、ゴマ油の活用」「自然水の摂取+禁酒・禁煙」が基本となっています。

 大切なことは、食事療法だけでガンが消えるわけではなく、必要な手術や抗がん剤、放射線療法、その他の有効な医学的治療を実施した上で、同時に食事療法を行っているという点です。

 ガンというのは生活習慣病です。 長年に渡っての生活習慣ががん細胞を育ててきたわけですから、仮に手術や抗がん剤でがん細胞を取り除いたとしても、しばらくすれば再発や転移が起こるのは当然のことです。きちんとした西洋治療を行った後、食事、運動、休養、睡眠、ストレスといったライフスタイルを見直していかないと元の木阿弥です。この意味で、がん患者を対象とした食事療法について詳しく書かれている本は、大変参考になろうかと思います。さらにがんにならぬよう予防の意味でも参考になるものです。


◆がんと闘わない生き方

    小野寺時夫 (PHP研究所)


 日本は、がん患者の発生率も死亡率も世界ワースト1位だそうです。毎年約60万人が新たにがんになり、2015年にはがん患者総数が約550万人にまで増加。2008年度のがん死亡者数は約33万人で、男性の2人に1人、女性の3人に1人ががんになる時代を迎えています。
 万が一、がんになってしまったらどうしたらいいのか。なってから考えるのではなく、今からそれについて考え心構えを持っておいた方が精神的にも安心できると思います。そんな方にぜひ読んで欲しいのが、この本です。主旨は「がんと最後まで闘いすぎない、すなわち治療を受けすぎない」「体力の続く限り、やりたいことを出来るだけ早くやっておく」……など。
 対処の仕方は人それぞれですので、本を一読されてからお考えになられるとよいと思いますが、掲載されている内容の一部をいくつか紹介させていただきます。

「がんと最後まで闘いますか」……東京大学医学部が2008年に行ったアンケート調査では、"Yes"と回答した人は、がん患者81%、一般市民66%、看護師30%、医師19%でした。医師は「治療の限界を知っている」せいか、低い回答率になっている。

がんの宣告……がんとわかると1日も早く治療を受けなければと焦る人が多いが、急ぐ必要はない。手術を勧められたら、外科医ではなく放射線科医(診断医ではなく治療医)や内科医の意見も聞いてみる。巷には名医や専門病院を紹介する本が溢れているが、当てにならない場合が少なくない。

がんの治癒率……「早期発見で治癒率が向上」といわれているが、胃がん、大腸ポリープがん、子宮頸がんでがんが粘膜上皮内だけに留まっているものを、日本では「ステージ0」の早期がんとしており、欧米では「異型」としてがんに入れないものまで統計に入れている。従って、著しく治癒率が向上したとは言えない。

進行がんの抗がん剤治療……むやみにやると患者に苦痛を与え、命を縮める危険がある。臓器の種類によって、同じ臓器のがんでもがん細胞の種類によって、また人によっても効果が著しく違う。がんが大きいほど、転移の数が多いほど効かなくなる。高齢になるほど効きにくく、副作用が強くなる傾向がある。有効な治療をするかは、医師の腕によって大きな違いがある。

終わりに
 私は、がん死を望んでいます。心臓死や脳卒中死のポックリ死は、人生の終末にしてはあまりにもあっけない感がするのです。人生を反省し、回りの人に別れの挨拶ぐらいはして亡くなる方がよいと思っているのです。

 

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