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日本健康アカデミー、糸日谷秀幸塾>【天然にがり】ブーム裏の裏
【目次】
◆ にがりブームの経緯
◆ 誤った情報がどのように伝わったのか?
◆ にがりの未来について
◆ 天然にがり豆腐を作ろう
◆ にがりブームの経緯

2001年 4月 熊本県立大学・奥田拓道教授を中心に「天然にがり研究会」が発足。(糸日谷代表も研究者の一員として参加)
"にがりの科学的研究プロジェクト"がスタートする。

2001年12月 北海道文化放送テレビ「ゴーゴーママ」で"にがりと健康について"が紹介される。

2002年 5月 静岡第一テレビ「天然にがりで健康家族」を放映。

2002年 6月 糸日谷秀幸著 「天然にがりバイブル」 (薬局新聞社)が出版。

2002年 9月 某テレビ番組で"にがりがダイエットに効果的"と紹介。

にがりブームが起こる。

2003年 4月 フジテレビ「得ダネ!」で"にがり"が紹介される。

2003年 7月 テレビ東京「クスリになるテレビ」で"にがりのダイエット効果"についての放映。

2003年12月 糸日谷秀幸著 「快適! にがりブック」 (毎日新聞社)が出版。

2004年    電通「上半期・消費者が選んだ話題,ヒット商品」調査で、

1位・・・アテネ五輪
1位・・・DVDレコーダー
3位・・・にがり商品
4位・・・ヨン様
5位・・・ラストサムライ

2004年 3月 神奈川県相模湖町にある知的障害者施設で、50代の女性が職員より誤って(ペットボトルのミネラルウォーターと間違えて)コップ一杯のにがり原液を飲まされ意識不明の重体となり救急車で運ばれる。

2004年 7月 国立健康栄養研究所がホームページで「にがりのダイエット効果に科学的根拠なし」と発表。

にがりブームが沈静化へ。

2005年 8月 第22回和漢医薬学会で、星薬科大学・杉山清教授が「マグネシウムの膀胱がんプロモーション抑制作用」を発表。
モデルマウスに膀胱発ガン状態を作った後、マグネシウムを混入した餌と混入しない餌とで比較。マグネシウム投与群では、発ガン抑制効果が見られた。
杉山氏のコメントでは「にがりはダイエットで大ブームだったけれど、そういうブーム商品ではなく、日常的に摂取し続ける健康食品」「マグネシウムを多く摂取しても副作用は軟便になるくらい。
他にもマグネシウムは、糖尿病を予防するというデータ(ハーバード大学とアメリカ糖尿病協会との共同疫学調査)もあります」 (漢方医薬新聞2005.9.15号より抜粋)

2006年1月 日本未病システム学会(大阪)にて、お茶の水女子大学生活環境研究センターが「食後高脂血症に及ぼすにがりの影響」と題する研究を発表。
・研究対象・・・健常男性8人
・実験内容・・・試験食としてバター30gとにがり5mlを負荷。負荷前と負荷2、3、4、6時間後に採血を実施した。
・結果・・・にがりの摂取により、中性脂肪値及び超低比重リポ蛋白(VLDL)の上昇が抑制された。

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塩田写真
◆ 誤った情報がどのように伝わったのか?
     にがりブームを振り返って・・・

・「天然にがり研究会」の発足

 2001年4月、熊本県立大学・奥田拓道教授を中心に我々は「天然にがり研究会」を発足させました。ちょうど1997年、塩の専売法が改正され、自然塩ブームが起こった時期でした。「精製塩より自然塩の方が良いのであれば、にがりも化学合成品(塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン)ではなく、昔ながらの塩田で作られたにがりの方が良いのではないか」きわめて素朴な発想でした。当時、天然にがりについての科学的文献は皆無に等しく、症例も山口県防府市で開業医をしている真島真平医師による報告のみで、研究はまったくの手探り状態からスタートしました。 我々が考えたことは、天然にがりの主成分がマグネシウムであることから「マグネシウムの体内での働き」を調べ上げ、それと同時並行して、アンケート調査を実施。アンケートで改善効果が高いものをマークして、奥田教授が動物実験で確認試験を行うという手順です。

・アンケートの実施!

 アンケートは、天然にがり50ccのサンプルをメーカーの協力のもとに無料配布し、1本使い切った段階でアンケートに答えてもらいました。最終的には、3年間の間に1884名分の回答を得ました(参考資料1)。なおアンケートに使用したにがりは、インドネシアの塩田で作られたにがりで、比重1.295、32ボーメ、pH6.5、1cc当たりの硫酸イオン97.1mg、マグネシウムイオン68.6mg、ナトリウムイオン33.7mg、カリウムイオン15.5mg(以上、食品衛生研究所調べ)のものを使用しました。

 アンケート結果は、多少のプラセボ効果があるにせよ改善率の高いものが非常に多く、我々の予想を上回るものとなりました。そこで、アンケート結果とマグネシウムを中心としたミネラルの働きとの関連性から奥田教授に確認試験を行っていただいたところ、「抗がん作用」「抗アレルギー作用」「糖質及び脂質の吸収抑制作用」などがマウスの実験で確認されました。

・フジテレビ「得ダネ!」と静岡第一テレビに出演
塩田写真
 特に花粉症やアトピー、ぜんそくなどに良いことがわかり、嬉しいことには、静岡第一テレビとフジテレビ「得ダネ!」から番組の出演依頼を受けました。フジテレビ「得ダネ!」のディレクターからは「にがりを飲んで従来の花粉症が良くなったので、ぜひテレビで取り上げたい、糸日谷さんにもご出演願いたい」との強い要請があり、出演させていただきました。

・「抗アレルギー作用」ではなく 「にがりダイエット効果」が大ブーム

 しかし・・・大変残念なことに、にがりの持つ「抗アレルギー作用」はダイエットブームに消され、世間一般にはまったく無視されてしまいました。天然にがり研究会が発足して1年半後のことでした。某テレビ番組で、"にがりのダイエット効果"に関する特集が組まれ放映されました。これは、我々にとってはまったく寝耳に水の話でした。というのも番組に出演していた医学博士は、天然にがり研究会のメンバーではなく、またにがりを専門的に研究している方とも思えなかったからです。しかし、その番組の影響力は絶大で、瞬く間ににがりのダイエットブームが起こってしまったのです。

 こうしてにがりブームは、マスコミの産物によって誕生しました。苦労してデータを集めてきた我々にとっては嬉しくもあり、かつ大変な不安を抱えることとなりました。というのもマウスの実験において「糖質及び脂質の吸収抑制作用」などは確認しておりましたが、「ヒトのダイエット効果に関する研究」は行っていなかったからです。今から思えば、私自身大変反省しなくてはいけません。アンケート調査でも「にがりを飲んで血糖値が下がった、中性脂肪が下がった」という数多くの報告があり、「生活習慣病に良い」との認識で"にがりブームを静観してしまっていた"からです。

・私の使命は二つ!

 当時、私の使命は「にがりの持つ良さ、例えばマグネシウムの補給や抗アレルギー作用等」を世間一般に正しく伝えることでした。

 しかし、この事実は、ダイエットブームの風に消され、犬の遠吠えのごとくマスコミからまた無視され続けました。 雑誌やテレビの取材においても「にがりの持つ抗アレルギー作用」のところはカットされ、「糖質や脂質の吸収抑制効果」のところが、"ダイエット"という文字の下に大きく取り上げられてしまいます。また飲みすぎは"下痢"になりますが、多量の飲みすぎ(コップ一杯)は「急性マグネシウム中毒」を引き起こしますので注意が必要です。そのため、良心的な商品は極力小さなボトルで、しかも多量に出ないよう小さな穴を開けています。小児が誤って口にしないような配慮からでした。

 ブームというのは恐ろしいもので、瞬く間に内容成分の明記も無いような粗悪品が出回り始め、ミネラルウォーターと見間違うような大きなペットボトルで販売されるにがりが後を絶ちません。また製品によって濃度(海水濃縮度)が異なるため、一日に飲む適量すら曖昧です。そこで、私は「マグネシウムの含有量から調べる摂取適量」の"早見表"を作りましたが、これは許可も無く勝手に雑誌に掲載されたり、医者の書いたにがり本に無断転載されてしまいました。

・私たちが恐れていた事件が・・・

 2004年3月、私たちが恐れていた事件が神奈川県にある知的障害者施設で発生しました。便秘がちの施設入居者の改善に職員がにがりを使っていたことは、我々の研究結果から見ても適切であったと思います。しかし、大きなペットボトル入りのにがり原液を冷蔵庫に入れておいたため、職員がミネラルウォーターと間違え、それを施設入居者に直接飲ませ急性マグネシウム中毒による死亡が発生してしまったのです。
  「にがり商品は極力小さなボトルで、しかも多量に出ないよう小さな穴を開けるよう販売業者にお願いしたい」。私のマスコミを通じての警告は、数多くの販売業者へは届きませんでした。

 尊い命が亡くなられたことを心からお悔やみ申し上げます。またにがりブームは終焉しましたが、星薬科大学の杉山先生のように「にがりの必要性」を主張していただける研究者がいらっしゃることに感謝申し上げます。また反省すべきことは、反省しなくてはなりません。

・反省点 そして今後の私の使命

 それは、NRの使命の一つである「ヒトのデータに基づく科学的エビデンスのある健康食品を消費者に伝えること」です。にがりブームに関してもマウスのデータとアンケート調査の結果から先走りしてしまった感が否めません。もう少し顕著に健康食品を捉えなくてはいけないということです。 最後になりましたが、今後は、今までのことを十分反省しながら新しい健康食品の開発に力を注ぎたいと思っています。

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【参考資料 1】 アンケート調査  2004年9月1日現在
          調査対象 1884名・・・男性406名、女性1478名

   便秘が良くなった・・・改善率88.6%
   風邪を引きにくくなった・・・ 改善率86.0%
   二日酔いしなくなった・・・改善率81.4%
   疲れにくくなった・・・ 改善率79.0%
   肌荒れしなくなった・・・ 改善率78.5%
   口内炎が起こらなくなった・・・ 改善率76.8%
   熟睡できるようになった・・・ 改善率76.3%
   気持ちが明るくなった・・・ 改善率75.5%
   水虫が良くなった・・・ 改善率69.9%
   イライラしなくなった・・・改善率68.0%
   歯周病が良くなった・・・改善率65.4%
   アトピーが良くなった・・・改善率64.2%
   こむら返りが起こらなくなった・・・改善率63.6%
   咳や痰が出なくなった・・・改善率62.1%
   花粉症が良くなった・・・改善率61.2%
   アレルギーが良くなった(全体)・・・改善率60.0%
   冷え性が良くなった・・・改善率56.6%
   血圧が下がった・・・改善率55.6%
   肝機能が良くなった・・・改善率55.2%


【参考資料 2】 「天然にがり」を用いた学術研究・学会発表

2002年度 「天然にがりの抗腫瘍効果」
(愛媛大学・高久武司、和漢医薬学会)

「天然にがりの抗癌作用」
(愛媛大学・高久武司、日本体質医学会)

「免疫機能に及ぼす天然にがりの作用」
(九州大学・片野光男、日本体質医学会)

「天然にがりの健康性機能」
(熊本県立大学・韓立坤、日本体質医学会)

2003年度 「IgE抗体誘発皮膚炎モデル動物に及ぼすにがりの影響」
(熊本県立大学・奥田拓道、日本栄養改善学会)

「抗ガン効果のメカニズム解明のための血管新生の定量化: 天然にがりを応用例として」
(愛媛県立医療技術短大・昆和典、日本栄養食糧学会)

「糖質および脂質の腸管吸収に及ぼす天然にがりの影響」
(熊本県立大学・韓立坤、日本栄養食糧学会)

「にがりの抗肥満作用およびその作用メカニズム」
(熊本県立大学・韓立坤、日本栄養改善学会)

「天然にがりによる胃癌細胞に対するINF-γ誘導アポトーシスの増強」
(九州大学・片野光男、日本癌治療学会)

「脳の発達ならびに健康維持におけるにがりの有効性」
(静岡県立大学・武田厚司、RSP研究成果発表会)

「皮膚温度および食塩の塩味に及ぼす天然にがりの影響」
(熊本県立大学・宮崎栄子、韓立坤、奥田拓道、栄養学雑誌)

2004年度 「高脂肪食摂取マウスの脂肪蓄積に及ぼすにがりの影響」
(熊本県立大学・韓立坤・山本直子・北川孝江・奥田拓道、肥満研究vol.10)

 「ラットにおける脂質エマルジョンの腸管吸収に及ぼすにがりの影響」
(熊本県立大学・北川孝江、韓立坤、奥田拓道、栄養学雑誌)

「IgE抗体誘発皮膚炎モデル動物および卵白アルブミン経口投与後の血中IgE濃度に及ぼすにがりの作用」
(熊本県立大学・緒方香織・韓立坤・奥田拓道、愛媛大学・高久武司、栄養学雑誌)

 「癌細胞に対するアセチレン系アルコールのアポトーシス誘導と天然にがりによる増強」
(佐賀大学・松永尚・南雲文夫・森昌斗、九州大学・片野光男、日本癌治療学会)

2006年度  「食後高脂血症に及ぼすにがりの影響」
(お茶の水女子大学生活環境研究センター、日本未病システム学会)


【参考資料 3】  天然にがりは、製造法の違いで5種類ある

1、塩田製塩にがり     昔ながらの製法。
塩田で天日干しを繰り返しながら、時間をかけて食塩を取り除き、上澄み液を採取したもの。

2、イオン交換膜製塩にがり イオン交換膜を使って海水を濃縮し、そこから食塩を取り除いたもの。
硫酸イオンなどの2価イオンは、交換膜を通過しにくいといった特徴があり、塩田製塩にがりとはイオンやミネラル組成が異なる。

3、海洋深層水製塩にがり 海洋深層水を逆浸透膜を使って脱水し、濃縮した海水から食塩を取り除いたもの。
深層水から作るため、表層水から作る塩田製塩にがりとは使う海水が異なる。

4、藻塩にがり 海藻を焼いて灰にしたものを海水で漉して、濃縮液を作る。 これを釜で煮詰めて食塩を取り除いたもの。
海藻の成分(糖質、たんぱく質、脂質、ヨード分など)が含まれており、色も茶褐色をしている。

5、固形にがり水 海水から塩化マグネシウムの結晶(固形にがり)を作り、それを水や麦飯石水で溶かしたもの。
純度95%以上の塩化マグネシウムを水に溶かしただけなので、海水のミネラル分を含む塩田製塩にがりとはまったく成分が異なる。
*当時は、いずれも「天然にがり」という名目で販売されていた。

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◆ にがりの未来について
 ・奥深い未知なる物質
 
 2004年11月19日、大阪で開催された日本海水学会に出席した時のことでした。ある研究者が研究発表の中で「にがりは、マグネシウム以外のミネラルは微量であり、下剤以外の効果は期待できない」と言いました。私は反論をぶつけてみましたが、その方からそれに対する回答をもらうことは出来ませんでした。

 これはあくまでもマウスでの実験ですが、にがりの「糖質及び脂質吸収抑制作用」は塩化マグネシウム(化学合成品)でも起こるため、マグネシウムが関与成分であると推測されます。しかし、「抗アレルギー作用」に関しては塩化マグネシウムのみの投与、塩化カリウムのみの投与などいろいろ実験をしましたが、関与成分が特定できませんでした。

 このことは、何を意味するのでしょうか。それは、多くの漢方生薬やハーブがそうであるように「一つ一つの木(特定の栄養素や成分)は微量で作用が弱いが、森(微量成分の集合体・相乗効果)になると作用が現れる」。それに近い現象に思われます。塩田製塩にがりは、海水の微量ミネラルの集合体です。単体のミネラル成分だけを調べていても、にがりの本質はつかめない。まだまだ奥の深い未知なる物質だと思います。

・研究はさらに続く・・・

 新聞報道等において「にがりには下剤以外の効果は期待できない」とあっさり否定されてしまいましたが、私はこの未知なる物質について短期間で結論を出すこと自体、無理な話のような気がします。またいつの日かにがりの素晴らしさが再認識されることを信じて、研究を続けていきたいと思っております。

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◆ 天然にがり豆腐を作ろう
 

冬といえば、鍋や湯豆腐が有名ですが、温かい天然にがり豆腐を作ってはみませんか。作り方は、簡単です。

【用意するもの】
・天然にがり(濃度の違いに注意しましょう)
*薄めのタイプ・・・100ml当たりマグネシウム量 1000mg前後
*中間のタイプ・・・100ml当たりマグネシウム量 3000mg前後
*濃縮のタイプ・・・100ml当たりマグネシウム量 6000mg前後
・成分無調整豆乳(スーパーなどで紙パックに入って売っています)
・電子レンジOKの容器
・ラップ

(作り方)

1、豆乳を容器に入れてから、天然にがりを適量加えてよくかき混ぜます。
*適量とは、
薄めのにがり→豆乳200mlに対して 10〜12ml
中間のにがり→豆乳200mlに対して  5〜6ml
濃縮のにがり→豆乳200mlに対して  2〜3ml

2、容器の上からラップをかけて、電子レンジに入れます。加熱時間は、強(500〜600W)で3〜4分。

3、レンジから取り出して、固まり具合を見ます。固まりが弱い場合は、さらに20〜30秒刻みで加熱していってください。

4、うまく固まったら(といっても普通の豆腐よりは、軟らかい感じです)、レンジから取り出し、ラップをしたまま10分ほど蒸らせば出来上がりです。

最初のうちは失敗することもありますが、数回作っているうちにコツがつかめてきます。

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